《報告》第265回地域ネットワーク勉強会

cnn.265.0730.JPG  令和2年7月30日(木) 午後7時30分〜午後9時

 テーマ:高次脳機能障害を抱える方への支援
      〜事例を通して症状と関わり方を学ぼう〜


 講 師茨城県高次脳機能障害支援センター
     山中俊広氏(支援コーディネーター)

 場 所:神栖市保健・福祉会館 2階 研修室

 参加者:29名

 今回の勉強会では、本人や家族、関係機関の相談支援やネットワークづくりなど包括的な取り組みを行っている茨城県高次脳機能障害支援センターから、高次脳機能障害の症状や関わり方のポイントとあわせて、センターの相談支援体制について事例を交えてお話いただきました。



 山中氏の講話と当日の資料をもとにまとめたものを紹介します。
高次脳機能障害とは
 高次脳機能障害は、脳の損傷(脳外傷、脳卒中等)が原因となり意欲が低下したり、記憶、注意、計画的に物事に取り組むことが困難になります。また、感情のコントロールに支障があらわれる障害で日常生活または社会生活に制約が出ますが、適切なリハビリや訓練を行うことにより、徐々に改善する可能性が非常に高い障害です。

高次脳機能障害者支援のポイント
 この障害は受傷前と受傷後で本人に変化がある点に注目することが大切で、生活しやすく働きやすい環境を調整したり、適切な訓練を実施し本人の障害への認識を高めたりすることで、症状が改善していきます。また、家族や会社、支援者等の周囲の方の理解を深めることで、安定した生活や就労が可能となります。
 また、受傷前に培ってきた知識や考え方は残っていることが多いことを理解し、支援者は本人の気持ちやその背景を察知できるように関わること、さらに、分かりやすい声かけ・支持的な声かけが必要で、ポジティブな関りが重要です。

【分かりやすい声かけ・支持的な声かけの例】
・ミスをしないようにね  → 落ち着いて2回見直してね
・遅刻しないでね     → 5分前までに来てね
・どうして起きられないの → どうしたら起きられるかな?


高次脳機能障害の障害福祉サービスの利用条件と利用に際しての目標
 高次脳機能障害を抱える方は、“高次脳機能障害”との記載がある診断書があれば障害福祉サービスを利用することができます。
 障害福祉サービス利用する中での目標としては以下の4つがあります。

\験茲離螢坤爐粒領や意欲の向上
 日中に活動することで規則正しい生活リズムを確立できるようにする。各種訓練、運動など様々な活動を通して意欲の向上を目指す。自身の役割を持ち習慣化する。

高次脳機能障害の代替手段の学習・改善
 記憶の保持が難しい方にはスケジュール帳などを利用して、生活の管理ができることを目指す。脳機能の改善のため、日課の中に脳機能(新聞や本を読む、散歩をする、脳トレ等)を使う活動を入れる。

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 脳へのダメージにより、苦手になったことを知ることで今後の生活で注意することを本人が自覚できるようにトレーニングしていく。
 ※成功体験はもちろん大切なことですが、多少なりとも失敗経験も必要で、自分の弱点を認められるようになり病識理解も深まっていきます。

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 買い物や公共交通機関の利用などの外出訓練を通して地域へ帰った時の社会参加のための基本的な技能を身に付けることを目指す。趣味活動を通して他者とのコミュニケーションを図ることが脳機能の改善にも繋がる。

就職するために必要なこと
 以下の5つの段階を1つ1つ積み上げて就職に繋げていくことが重要です。
/瓦反搬里侶鮃管理(障害の理解、健康維持)→日常生活管理(規則正しい生活、地域生活)→社会生活能力(コミュニケーション、協調性)→ご靄榲労働習慣(ビジネスマナー、報告・連絡・相談、規則の厳守)→タΧ氾性(業務処理能力、作業速度、持続力、正確性)


 茨城県高次脳機能障害支援センターでは、県内唯一の高次脳障害の支援拠点として、〜蠱婿抉隋↓⊃雄牋蘋、I甬攘屡、ぅ優奪肇錙璽の構築を柱に本人や家族、関係機関に対して様々な事業を展開しています。中でも、モバイル型支援は、本人、家族はもちろん支援事業所からの相談にも応じ、課題が発生している現場(自宅や施設など)に訪問し、解決に向けてサポートしています。

 講師の山中さんは、「高次脳機能障害はとても身近な障害であるため、まずは障害の存在と支援する専門機関があるということを知ってもらうことが大切であり、認知症とは違い改善する可能性が非常に高い障害です。個々に様々な症状が現れて支援に困難さを覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれの障害特性を見極めて適切に対応することで、安定した生活・就労も可能となります」と締めくくりました。


茨城県高次脳機能障害支援センター ホームページはこちら
住所:茨城県稲敷郡阿見町阿見4669−2(県立医療大学敷地内)
電話:029−887−2605
開設時間:月〜金曜日 午前9時〜午後5時(祝日・年末年始を除く)
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