★職員レポート「日常生活自立支援事業と成年後見制度 2つの事業でサポート」

 Aさんは福祉後見サポートセンターかみすの、日常生活自立支援事業を契約して、福祉サービス利用の支援と、払い戻し・支払い支援を受けています。認知症が進行して徐々に判断力のおとろえが見られるようになりましたが、成年後見制度へ移行することで安心して生活できる状況となりました。このレポートでは、Aさんへの支援の経過について事例を通じてご紹介します。
(個人が特定されぬよう実際の事例に若干の加工をしています)

 Aさんは80代の女性で一人暮らしをしています。Aさんは外出先でたびたび財布を置き忘れるようになり、自分の部屋でもなくすことが増えてきました。またAさんに頼れる親族がいないことから、担当のケアマネジャーから、日常生活自立支援事業の利用について相談を受けました。

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 Aさんとの面接では、物忘れが増え、買物の支払いがきちんとできているか不安になるという話や、ヘルパーさんが家に来て掃除をしてくれて助かっているという話をうかがい、日常生活自立支援事業の利用について「ぜひお願いします。」という利用の意向も確認できました。
 日常生活自立支援事業は、判断能力の低下している人との契約のため、利用するかどうか複数回の確認が必要であり、Aさんとは3回目の面接で契約に至りました。  契約後は毎月1回Aさんを訪問して、日常生活での困りごとなどをうかがい、福祉サービスの利用料などの支払いについてAさんに確認しながら支援してきました。
 Aさんは話し言葉が丁寧で、訪問のたびに「いつもありがとう。」という感謝の言葉をいただき、また笑顔の絶えない方なので、お会いするたびに私が元気をもらっていました。

 契約から5年が経ち、Aさんは90歳を超え、あいさつや簡単な内容の会話はできていても、これまでの軽妙なやりとりができないときがあり、支払いの内容を理解されているかどうかわからない様子も見られるようになりました。ケアマネジャーからも判断力だけでなく身体状況の低下もあり、特別養護老人ホームへの入所を検討できないかと話がありました。
 Aさんが意思決定できなくなれば、サービスの利用状況や支払いなどの確認ができなくなるため、日常生活自立支援事業での支援はできなくなります。また特別養護老人ホームの入所には、入所申し込みや契約が必要であり、身内のいないAさんの場合、法的にAさんを代理する成年後見人による支援が必要になります。

 Aさんと福祉サービス支援者とでケア会議を開き、Aさんの判断力が低下している状況が確認され、Aさんが意思決定できるうちに、成年後見制度の手続きを進めていくことを確認しました。また本来は4親等以内の親族が成年後見申立を進めるのですが、Aさんに親族がいないことから、市長による成年後見申立にて進めることも市の高齢者担当課の職員に確認しました。

 そして現在は、市長(市高齢担当課)による成年後見申立が進められ、神栖市社協が後見人(法人後見人)として家庭裁判所の審判を受けました。日常生活自立支援事業に引き続き、私が私が担当することとなり、Aさんの成年後見担当者として、ケアマネジャーなどの支援者と連絡を密にしながら、市内の特別養護老人ホームへ入所することができ、毎月1回の面会で生活状況確認(身上監護)と、施設利用料などの支払い支援(財産管理)をしています。
 Aさんを訪問すると、今でもニコッと笑顔を見せてくれるのですが、これは日常生活自立支援事業での5年以上に渡るお付き合いから、スムーズに切れ間なく法人後見にて継続して関われることで生まれた安心感の賜物かな。と思っています。

 神栖市社協では、平成28年4月に「福祉後見サポートセンターかみす」を開設して、成年後見制度の普及啓発、申し立てに関する相談支援、神栖市社協が法人として支援する法人後見を実施し、現在は5人の後見人等を受任しています。また日常生活自立支援事業で認知症や知的・精神障害等により判断能力の低下のある方と契約による支援を実施しており、現在契約者は25人です。
 センターで2つの事業を展開することで、権利擁護に関する分野の相談を一手に受け止められる体制になっています。

 今回の例だけでは、ご不明な点もあるかと思います。ご質問やお問い合わせ、日常生活自立支援事業・成年後見制度に関するご相談は、下記までお気軽にお問い合わせください。

■お問合せ先
 福祉後見サポートセンターかみす(神栖市社会福祉協議会)
 電話:0299-93-0294 (担当:名雪、荒井)

<神栖本所 地域福祉総合相談センター N>
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