《報告》第261回地域ネットワーク勉強会を開催しました


◆日時:令和元年10月24日(木)
      午後7時〜午後9時

◆テーマ:
「精神科医から学ぶ!精神障害のある方との関わり方」


◆講師:児玉知之氏(精神保健指定)
  児玉医院 副院長

◆参加者:49名
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 今回の地域ネットワーク勉強会では、児玉医院副院長 児玉知之氏を講師として招き、統合失調症やうつ病など精神疾患の理解と精神障害のある方との関わり方についてお話いただきました。
 児玉先生の講話と当日の資料をもとにまとめたものを紹介します。

■うつ病の症状と関わり方
○症状
 うつ病は、抑うつ気分や意欲の低下、喜び・興味関心の低下といった症状に、睡眠障害、全身の倦怠感などが合わさることがあります。職場の異動や家族との死別、経済問題などライフスタイルの変化をきっかけに発症することがあります。こうした症状全てがうつ病とは限りませんが、継続的に続く場合は、医療機関への受診が必要となります。
○関わり方のポイント
 うつ病の方は、自責感が強く、自己肯定感の低さ、判断力・思考力の低下が見られるため、物事を行うのにも時間がかかります。そのため、支援者や家族は、本人のペースに合わせて関わることが大切となります。例えば、「もう少しやらないとダメじゃない」、「全然できていないね」など現状を否定して、自責感を煽るような言葉遣いを避ける、新しい趣味や作業を勧めるなど無理強いをさせないことなどが望ましいです。

■統合失調症の症状と関わり方
○症状
 統合失調症は、精神機能のネットワークが上手く働かない状態で、主に陽性症状と陰性症状に分けられます。
・陽性症状・・・自分の悪口が聞こえる、誰かに見張られている気がする、電波を浴びせられるなど
・陰性症状・・・ひきこもりがちな生活となってしまう、喜怒哀楽の感情がわきにくくなるなど
○関わり方のポイント
 陽性症状の強い方に対しては・・・関係が損なわれる、症状が強まる恐れがあるため、否定も肯定もせず、「奇妙なことが起きて、辛いのはよく分かります」など、感情にスポットを当て、共感していることを伝えます。
 陰性症状が強い方に対しては・・・複数のことを同時に行うことが苦手になる傾向があるため、例えば、頼み事をするときは、具体的に「○○をお願いします」と物事を一つずつ頼んだ方が本人に伝わりやすいです。また、物事を組み立てて行動することが不得意のため、日課をスケジュール化することで行動に移しやすくなります。

■発達障害の症状と関わり方
○症状
 疾患成因はまだよく分かっていませんが、脳機能の働きに生まれつきの特徴があると考えられており、コミュニケーションや柔軟な考え方が難しい、強いこだわりがあるなどといった症状が現れます。
○関わり方のポイント
 発達障害が疑われる方に対しては、「自分で考えてください」という関わりは上手くいかず、物事を具体的に、視覚化して伝えることがポイントです。また、事前にルールや決まり事をマニュアル化することも有効です。

■医療機関受診を勧める場合
 医療機関受診を勧める際に病識がある方と乏しい方で受診までのプロセスが異なります。
(病識がある方の場合)
,い弔ら困っていることが発生したのか経過をまとめておく、現在内服している薬があれば、その情報を用意する、ことでスムーズな診察に繋がります。
(病識が乏しい方の場合)
_搬欧篆場の関係者など本人の身近な人が通院先へ事前に病識が乏しいことを伝える、健康診断の数値や不眠など本人が認識している症状を絡めて受診を勧める、などで医療機関への通院が円滑に進むことがあります。

                      
 病名は異なっていても精神疾患を抱える方との関わり方に共通するのは、“共感と傾聴”です。ただ、話を聞く時間が長すぎたり、関わりが深くなりすぎたりすると共感的な態度を維持することが難しくなり、本人の気持ちとかけ離れてしまう恐れがあります。そのため、心理的な距離を適度に保つことが重要で、「押し付けになっていないか」、「批判的になっていないか」など、自分の心の中でモニタリングすることが大切になります。

 上記のような精神障害のある方との関わり方のポイントを踏まえ、児玉先生から支援者や家族は、病気を理解し、“あなたの味方です”といったスタンスで関わることで、本人の不安は軽減され、安心した生活に繋ることを伝えて頂きました。

 児玉先生の講話後、出席者からたくさんの質問が寄せられました。時間の関係上全ての質問にはお答え出来ませんでしたが、一つ一つ丁寧に回答して頂き、精神障害のある方への理解を深めることができました。
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