令和元年台風19号災害被災地での社協活動〜常陸太田市災害ボランティアセンター運営支援報告〜

 令和元年台風19号による大雨により、茨城県内でも各地で人的被害や家屋の浸水等の被害が発生し、特に被害の大きかった水戸市、大子町、常陸太田市、常陸大宮市、ひたちなか市では災害ボランティアセンターが開設され、ボランティアによる被災世帯への支援が行われました。
publicdomainq-0009015dfp.jpg  被災地域でのボランティア活動は、主に自宅・敷地内の片づけや、ゴミの撤去、土砂だし等で、各市町の災害ボランティアセンターには県内外から連日多くのボランティアが駆けつけてくれました。

 神栖市社協は、10月16日(水)から常陸太田市災害ボランティアセンターへ職員を派遣し、11月4日(月)まで、センター運営の協力を行ってきました。その結果について報告いたします。


 災害ボランティアセンターでは、被災された方への相談対応、ボランティア依頼内容(ニーズ)の聞き取り、及びボランティアの受付、活動の紹介と活動先の調整を行います。併せて、活動資機材(スコップ、モップ、一輪車等)の準備や、必要な場合は活動先へのボランティア送迎、全国から寄せられる支援物品の取りまとめなども行います。

 災害ボランティアセンターの運営は、地元の社会福祉協議会(社協)が中心となり、行政や他の支援団体と連携して運営にあたります。しかし、地元社協も被災している、あるいはセンター運営の規模が大きくなると想定されるときは、地元社協からの要請を受け、各都道府県社協、及び、他の地域の市町村社協が職員を派遣し、協力してセンターを運営します。

 派遣要請の範囲は災害の規模によって広がります。9月の台風15号で被災した千葉県には関東ブロックの都県・市町村社協職員が、また、昨年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で被災した広島県、岡山県には全国から社協職員が派遣され運営にあたりました。

 茨城県では、茨城県社協と県内市町村社協が「社会福祉協議会における災害時支援に関する協定」を結んでおり、今回の災害では水戸市、大子町、常陸太田市、常陸大宮市の4市町社協からの派遣要請を茨城県社協が取りまとめ、県内の市町村社協を地域ブロックごとに、以下の協力体制を組んで災害ボランティアセンター運営にあたることが周知されました。

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 神栖市社協には、常陸太田市災害ボランティアセンターへの職員派遣が依頼されました。常陸太田市災害ボランティアセンターは、常陸太田市役所金砂郷支所に拠点を置き、10月15日(火)から11月8日(金)まで開設され、そのうち神栖市社協は10月16日(水)から11月4日(月)までの間で計17日間、9名の職員を交替で派遣しました。

 災害ボランティアセンターの運営は、各市区町村社協単位で「(立ち上げ・)運営マニュアル」が整備されています。このマニュアルをベースに、災害の種類、災害の規模・被災範囲に応じて、運営の規模やセンター内の班編制が決定されます。
 このような運営の基本的な流れは、どの市区町村でも共通してマニュアルに位置づけられているため、他地域から派遣された職員であっても、一定の共通理解の中で派遣初日から業務にあたることが出来ます。
 また、「災害」という特殊な状況下ではありますが、運営の本質は「ボランティアコーディネート」であり、相談の受付からボランティア活動の紹介まで、日々行っている社協業務と変わりはありません。
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神栖市社協のマニュアルです

 常陸太田市災害ボランティアセンターは、センター長(常陸太田市社協事務局長)以下、「総務班(センター運営に係る事務全般・行政や他の支援機関との連絡調整)」、「ニーズ受付班(ボランティア依頼ニーズの聞き取り)」、「ボランティア受付班」、「マッチング班(ニーズに対し活動出来るボランティアの調整、ボランティアへの事前説明)」、「資材班(活動資機材の管理・ボランティアへの資材受け渡し)」、「送迎班(車両管理・活動先へのボランティア送迎)」の6班(他に救護担当など)が置かれ、私たち神栖市社協職員は、全日程を通じて「ニーズ受付班」に所属しました。

 ニーズ受付班は、被災者からの困りごとが寄せられる最初の入口となるところで、たいへん重要な役割です。また、お住まいの地域の状況や地域特性などもふまえながら相談対応を進める必要があるため、地元の常陸太田市社協職員に協力するスタイルで業務にあたりました。

publicdomainq-0037529gnz.jpg   電話あるいはセンター窓口での相談対応が中心となりましたが、被災された方々のつらい気持ちに寄り添いながら、お宅の状況や、ボランティアにして欲しい活動のご要望をお伺いして、専用の「ニーズ票」に記録していきました。

 「ニーズ票」はその後、ボランティア活動依頼書として活用されるため、活動に向け必要な情報(活動先を示した住宅地図、必要な資材の種類・数、ボランティアの人数など)を加え、マッチング班へ引き継いでいくところまでが、今回のニーズ班の仕事となっていました。

 センター運営の本質は、上で述べたように日々の社協業務と変わらないものではありますが、被災地では1日違うだけでニーズの内容やボランティアの状況などが大きく変化し、それに合わせ各班の役割や対応規模など、センター運営の方向も日々見直していく必要があります。時には、マニュアルに規定していない事項について、即時判断、対応を要する場面もあります。
 また、必要な活動資機材(普段はあまり使わないもの)の調達方法、行政はじめ連携すべき支援機関がとても広範囲に渡ることなど、災害時には、社協が持つコーディネートスキル、運営ノウハウや支援ネットワークが、より高いレベルで、かつ緊急性を伴って求められます。

 他地域への職員派遣は、もちろんその地域の社協活動を応援することが主目的となりますが、派遣された職員にとって被災地域での業務経験は、社協業務の本質と、その必要性・重要性を再認識できる貴重な機会にもなっています。

 私たちが運営に加わったセンター開設2日目の時点で、既に多くの相談・ボランティアのご要望が寄せられていました。
 ボランティアによる支援活動は開設初日から始まっていましたが、被災状況の大きさから一度の活動では終了に至らず、何回かの継続支援が必要(ニーズ票の再作成)となるお宅がほとんどで、開設当初は、増えていくニーズ票の数に対し、ボランティアの支援が追いつかない状況も一時ありました。

 しかし、日を追うごとにボランティアの数も増え、特に土・日曜日には数百名の方々が活動に参加してくれるなど、被災世帯への支援は着実に進み、開設3週目(10月29日)くらいからは新規のボランティア依頼も徐々に少なくなりました。

 常陸太田市社協では、こうした状況をふまえ、ボランティアによる支援のご要望が一定の収束を示したと判断し、11月8日(金)をもって災害ボランティアセンターを閉所することが決定されました。
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 常陸太田市社協ホームページによると、開所以来、常陸太田市災害ボランティアセンターに寄せられたニーズは、11月6日現在で148件。その間、延べ2,000人を超えるボランティアの協力により、326件の支援活動が展開されたそうです。

 なお、災害ボランティアセンター閉所後は、常陸太田市社協ボランティア・市民活動センター内に「被災者支援相談窓口」を設置し、今回被災された方からのボランティアの依頼や相談に対応していく予定となっています。
(詳細は常陸太田市社協ホームページをご覧下さい)

 以上の状況から、神栖市社協からの常陸太田市災害ボランティアセンターへの職員派遣は、11月4日(月)で終了しておりますが、今後、市外の被災地域社協から応援が要請されれば、できるかぎり神栖から職員を派遣していけるような態勢を取っていく予定です。


 台風19号により、神栖市内でも床上浸水、床下浸水、道路の冠水などの被害を受けた地域がありました。神栖市社協では災害ボランティアセンターを開設しておりませんが、台風の発生時から継続して、市と情報を共有しながら、被災状況の把握、被災世帯からの困りごとに応じる態勢をとっています。

 台風通過から1ヶ月が経過しましたが、現在も災害の影響が残っているお宅、被災による困りごとを抱えた世帯が存在しています。神栖市社協では今後も引き続き、福祉の総合相談窓口として、市内の被災世帯からのご相談をお受けしていきますので、お気軽にご相談下さい。

★「神栖市社協の福祉総合相談」相談窓口はこちら(無料です)
 神栖本所
 住所:溝口1746-1 市保健・福祉会館内
 電話:0299−93−0294

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 住所:土合本町3-9809-158 はさき福祉センター内
 電話:0479−48−0294

 窓口開設時間 8:30〜17:15(月〜金曜日)
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