★社協職員レポート
〜福祉後見サポートセンターかみす開設3年間を振り返り、想いを新たに〜

 先日、茨城県社会福祉協議会主催の成年後見セミナーの席で「福祉後見サポートセンターかみす」(以下当センター)の実践報告の機会を頂戴しました。
 神栖市社協の他に牛久市社協と水戸市社協の3つの後見センターでの取り組みを県内社協の仲間や関連する市町村行政担当者にお伝えするものでした。
 報告内容は、3社協とも共通の6項目「〇埃匐┐粒詰廰後見センター開設の背景、3設までの取組、ぜ損榮睛董Ρ人兢況、ソ嗣韻離瓮螢奪函↓今後の展望」についてです。「当センターの特徴とは何か」資料を準備する中で図らずも、開設準備からの3年9ヶ月を振り返り社協活動におけるこの事業の重要性を改めて認識することとなりました。
 現在、県内には同様の後見センターを実施している社協が10箇所あります。
 神栖市社協が当センターを開設したのは、平成28年4月でした。実践報告の一部を紹介させて頂きます。
hkssk.leaflet.png

「センター開設の背景と取り組み」
●当センター事業含め、現在神栖市社協が進める事業のすべては、第4次地域福祉活動計画の内容に基づいた年次計画に則り進められています。
平成26年度の地域福祉活動計画策定時の神栖市における住民の福祉課題として捉えた一つに成年後見制度の状況がありました。
 全国的な状況と等しく市内においても成年後見制度の利用ニーズは、認知症高齢者の増加や障害者の地域移行と共に年々増加傾向にあります。
 その一方で制度の理解不足や、申立人や後見人等候補者の受け皿不足等から、必要な人が必ずしも利用に結び付いておらず、とりわけ低所得者・生活保護受給者など資力の乏しい方は後見による報酬が殆ど見込めないことから、弁護士・司法書士などの第三者後見人の積極的な介入も少なく後見人のなり手が不足する状況にあります。
 片や認知症や知的障害、精神障害を持つ方への後見人としての関わりは「介護サービスの利用」を中心とした福祉的な支援が中心となることから、社会福祉士など福祉専門職が後見人となるケースも出てきましたが、後見人になろうとする専門職の人数がまだ少なく後見ニーズに追い着いていないという課題のある状況でした。
 このような課題に対し、個人でなく社会福祉法人や社団法人等の「団体」が後見人となる「法人後見」の例が出てきました。対象者に対し法人全体で関われることで、後見期間の長期化にも対応が可能となります。

●神栖市社協では日常生活自立支援事業により判断能力の不十分な方々へ福祉サービス利用支援や地域生活支援を行ってきました。また自主事業として「成年後見制度利用支援相談」の開設や毎月1回開催する住民勉強会(地域ネットワーク勉強会)で成年後見制度をテーマにするなど、これまでに相談機関としてこの課題に関わってきました。
 それらの事業を通じ、後見人確保の課題を痛感し、市関係部局からは、福祉の専門機関である社協に、成年後見制度利用支援への更なる深い関わりが期待されるようになりました。また、事業担当職員を社会福祉士に限定していましたが、資格取得の支援体制整備をすすめ、従事できる専門職員も年々増え、事務局内で一定数を確保できる段階になりました。
●これらの状況を踏まえ、神栖市に不足する社会資源を創設するという社会福祉法人である社協としての役割を果たすため、法人後見機能の発揮として地域の総合的な権利擁護支援体制の構築に有効とされる権利擁護センターの設置を第4次地域福祉活動計画の重点項目に位置付けました。
 当該事業に限らず、各社協でも事業開始までの経緯は様々かと思います。時には行政から社協の得意分野だからと受託事業としての取り組みを打診される事業などもあるかと思います。そうした点から言うと既存事業を通じて、センター事業の必要性をくみ取り自発的に取り組むために地域福祉活動計画に位置づけ自主事業としてスタートしたという経緯こそがいわゆる当センターの特徴ともいえます。

●開設にあたっては、センターの業務内容やサービス対象者、運営体制・財源について議論して頂く、(仮称)福祉後見サポートセンター設置検討委員会を立ち上げました。そこでの意見を踏まえてセンター運営に必要な枠組みとしてセンター設置規程等を整備しました。
 自主事業としての展開には、新たに職員を増員するのではなく、担当職員の兼務する業務の見直しや、事業財源の確保として市民の皆さんから頂いた寄付金を原資に積み立てた社協の福祉活動基金から100万円を繰り入れるなどの創意工夫による体制整備を行いました。


「センター実施内容・運用状況」についてはこちらをご覧ください。

「センター開設による住民のメリット」
●今年3年目となる当センターが開設したことで得られる住民のメリットを3つにまとめました。
 1.少し敷居が高いと感じる成年後見制度の理解や利用にあたり、気軽に相談できる場所が身近にある。
 ◇成年後見制度の相談ができますという看板を掲げたことで福祉サービスの利用について聞くのと同じ感覚で成年後見制度について相談できる環境があるということは、制度へのアクセスがぐっと身近になります。それは一般住民ばかりではなく、普段から事業を通じて連携をとっている関係機関についても同様です。
 2.成年後見制度利用支援と、日常生活自立支援事業をセンターで一体的に展開することで、権利擁護に関する課題を一元的に受け止めることができる。
 ◇ふたつの事業は対象者が重なる部分が多く同時並行に両事業の利用を検討する必要のあるケースが少なくありません。そのため両方を把握しているところが相談にのることで、相談後に必要な支援にたどり着くまでのスピードが違ってきます。
 3.日常生活自立支援事業の利用後に必要があった場合に成年後見制度への移行がスムーズにできる。
 ◇もちろん日常生活自立支援事業の利用者すべてを社協が後見受任するという訳ではありません。次のステップが必要かどうかという見極めができることで切れ間が無く安心した生活を送ることの出来る人を1人でも多くすることの可能性が増えるということです。

「センターの今後の展望」
●最後に今後の展望として、3つ上げました。
1.法人後見事業の積極的展開によって実績を重ね信頼を高める。
 ◇後見人の選択肢を広げるためスタートした法人後見受任事業はこれまでに6名の方の受任をしてきました。社協が担う対象者のニーズ増加は今後も見込まれます。そうした中で安心して任せられるという信頼を勝ち取るには何より実績が重要です。ニーズに合わせた事務局体制の整備とあわせ積極的に展開します。
2.市役所を中心とした関係機関と連携して神栖市の地域性の合わせた事業展開を図る。
 ◇その中には、市民後見人養成であったり、成年後見制度利用促進における市町村計画であったり、更にはその計画に位置づけられる中核機関であったりと、それらの取り組みが神栖市の実情つまりは必要性にあわせたものとなるよう、行政の役割と社協に求められる役割、また他の関係機関役割をしっかり確認をしながら、社協として貢献していきます。
3.それらの権利擁護事業を通じて安心のある地域づくりを目指す。
 ◇多くの生活課題を福祉サービスだけで解決することは不可能です。更に社協自身が解決手段を多く持ち得ている訳ではありません。ただし社協は多くのつながりを持っています。権利擁護事業を通じて司法関係機関との連携をとることがこれまで以上に増えました。今後はそうしたパイプを更に強固なものとし、一人でも多くの方の課題解決が図られ、そうした取り組みが少しでも広がり安心つながるようこの事業を社協の重点事業へと押しあげていきたいと考えています。

 最後までお読み頂きありがとうございました。今年も残すところあとわずかとなりました。関係各位のみなさまには大変お世話になりました。どうぞ良いお年をお迎え下さい。

成年後見制度の関する相談は下記までお気軽にお問い合わせください。
■お問合せ先
 福祉後見サポートセンターかみす(神栖市社会福祉協議会)
 電話:0299−93−0294
 担当:名雪、荒井

<神栖本所 地域地域福祉推進センター A>
ボランティアセンター ウェブサイトへ移動します