《報告》第250回地域ネットワーク勉強会を開催しました

<img alt= ◆日 時◆ 平成30年11月30日(金)
       午後1時30分〜3時30分

◆テーマ◆  〜地元弁護士がわかりやすく解説〜
       「成年後見制度を利用して安心できること」

◆講 師◆  安重洋介 氏(弁護士)
       【神栖法律事務所】

◆参加者◆ 26名

 成年後見制度には大きく分けて、判断能力の不十分な方の権利や財産を守り生活を支える後見人を裁判所に選任してもらう「法定後見制度」と、判断能力がしっかりしているうちに自分が望む暮らしや財産などの管理方法、将来してもらう後見受任者を決めておく「任意後見制度」の2つがあります。
勉強会では、市内に法律事務所を構える安重弁護士をお招きして、弁護士として成年後見制度を切り口に関わった事例をもとに、成年後見制度の概要や、申立てに必要な準備、後見人となったときの役割、任意後見制度の公正証書の作成例などについてわかりやすくお話しいただきました。

 成年後見制度は、認知症高齢者、知的障がい者、精神障害者の方などで判断能力が不十分な方を支援する制度。3つの類型に分けられ、申立て時の医師の意見書をもとに裁判所で決めます。
 補助→判断能力が不十分な方(日常の買物はひとりで問題なくできるが、契約ごとなどは援助者の支えがあったほうが良いと思われる方、軽度の認知症の方など)
 保佐→判断能力が著しく不十分な方(日常の買物程度はできるが、大きな財産の購入や、契約締結することは難しい方、中度の認知症の方など)
 後見→判断能力に欠ける状態が通常の方(脳死認定された方、重度の認知症の方など)とされています。
 類型によって、代理人となる後見人等の取消権、代理権、同意権などの権限の範囲が変わります。

 任意後見制度は、判断能力に問題がない時点で、将来自分の判断能力が不十分になったときに備えて、財産の運用の方法や、施設などの利用の希望、後見人になってくれる人を公正証書を作成して決めておく制度。任意後見制度では本人の判断能力が低下して任意後見人の支援が必要になったときに、家庭裁判所は任意後見人に対して任意後見監督人を選任します。そのため報酬は任意後見人と監督人の2人に必要となります。

 事例の一部ですが、最初に一人暮らしの認知症高齢者のケースを通して、成年後見制度の申立てまでの流れについて解説していただきました。その上で、成年後見人が選任されてから施設入所した本人の住んでいた家と土地を売却して当面の施設利用料に充てる場合、不動産の売却、補修などは裁判所の許可が必要になることが説明されました。(アパートの賃貸借契約の解約も裁判所の許可が必要になるそうです)
 また弁護士が受けた相談の中から、成年後見人が選任された方(判断能力が不十分な方)でも遺言書の作成はできるかという内容について、本人に一時的に判断力が回復したときに医師2人以上の立ち会いのもとで作成は可能という見解であるが、現実的には2人の医師に立ち会ってもらうことが難しいというお話もありました。
 通常の遺言についても公正証書による遺言と自筆による遺言の違いや、作成方法について、解説して頂きました。
 講話の途中に何度も会場から質問が寄せられましたが、その都度、丁寧に回答していただき、より理解を深めることができたと思います。

 成年後見制度については、「裁判所」や「法律」というイメージから、とっつきにくいと思われるかもしれませんが、判断能力の不十分な方の権利と生活を守るための制度であり、必要な人がきちんと制度に繋がることが大切です。法律と福祉の専門機関が協力して制度が普及し、より制度が活用されるために、市内の相談窓口は以下のとおり設置されています。

 ・神栖市役所 地域包括支援課(高齢者)   保健・福祉会館内 電話0299-91-1701
 ・神栖市役所 障がい福祉課(障害者)    神栖市役所内   電話0299-90-1137
 ・神栖市社協 福祉後見サポートセンターかみす保健・福祉会館内 電話0299-93-0294
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