《報告》第238回地域ネットワーク勉強会を開催しました

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  平成29年11月27日(月)
  午前10時〜正午

◆テーマ◆
  〜地元弁護士がわかりやすく解説〜
「成年後見制度の活用とその実際」

◆講 師◆
  安重洋介 氏(弁護士)
  【神栖法律事務所】

◆参加者◆
  28名

 今回の勉強会では、講師が関わった事例をもとに「本人・家族・後見人」のそれ立場から、成年後見制度の活用する際のポイントについて、実際に裁判所へ提出する書類等も提示され、わかりやすくお話を頂きました。

 成年後見制度は、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者の方などで判断能力が不十分な方を支援する制度です。
制度は、本人の判断能力に応じて3つの類型(後見・保佐・補助)があり、その類型毎に支援する成年後見人等(後見人・保佐人・補助人)に与えられる権限(支援)の範囲が別れています。
制度を活用するには、裁判所への申立てが必要で、申立てできる方は、原則として四親等以内の親族です。
制度の概要説明のあとに、弁護士である講師が関わった成年後見制度を活用した特徴的な6つの事例が紹介されました。

そのうちの2つの事例を報告します。(各事例や資料については、個人が特定されることのないよう配慮された内容で提供されています。)
【事例1(申立て)】
 80歳になる独居のおじいさんが近所にいます。朝6時頃に近くのコンビニに歩いてコッペパンを買いに行っているようで、足腰は丈夫そうです。  ところが、この間、家に様子を見に行ったら、コッペパンが複数仏壇の前に積まれており、自分でいくつ買っているかもわからなくなってしまっているのではと不安になりました。  この間、成年後見制度というものがあると聞きましたが、このおじいさんに何か手助けができないものでしょうか。

この事例のポイントとして・・・
 おじいさん(本人)に申立てができる親族がいなかったため、市長※1が申立人となり、法的な支援者である成年後見人が選任されました。
成年後見人は、本人に代わって、自宅(居住用不動産)の処分※2を行いました。現在、本人はその費用を入所した福祉施設の利用料にあてて、安心のある生活を送っています。
施設の入所契約や利用料の支払い、生活の見守りを成年後見人が行います。※3
 ※1:四親等以内の親族以外に首長である市長が成年後見開始の申立人となることが認められています。
 ※2:居住用不動産の処分を成年後見人が行う場合は、事前に家庭裁判所の許可を得なければなりません。
 ※3:成年後見人は、預貯や金銭の流れなどを家庭裁判所へ定期的に報告する義務があります。

【事例2(遺産分割)】
 私は4人兄弟の長男です。弟二人が、25歳を過ぎた頃から、妄想が激しくなり、家族にも危害を加えるようになってきたことから、近くの病院を受診したところ、統合失調症と診断されました。  ところで、昨年末、父が亡くなりましたが、遺産分割手続きが未了です。  今後、長女とどう遺産分割をしようか相談していますが、どのように進めたらよいのでしょうか。

この事例のポイントとして・・・
 弟二人の権利を守る成年後見人(補助人)が選任され遺産分割協議※4が行われました。手続きとして(篏人に対する代理権付与と居住用財産の処分の許可、0篁妻割協議書が必要です。
相続は、財産があってもなくてももめることが多く争続ともいわれます。
 一般にいわれるようにこの事例でも、不動産(自宅の土地と居宅)の分割の難しさとして、「‥效鷲床舛隆霆爐鬚匹Δ垢襪(固定資産評価証明書?実勢価格?)」「代償金の設定(代償分割)※5」「親との関わり合いやこれまで受けた支援の程度」が争点となりました。
 ※4:遺産分割協議は、民法907条が根拠となります。「1 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。」
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
但し、基礎控除(3、000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)があります。
 ※5:代償分割とは、遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人又は数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して債務を負担するもので現物分割が困難な場合に行われる方法です。)

 これらの事例以外にも、交通事故の事例「30年来連絡のなかった弟が、遠方で、交通事故にあって意識不明の状態となり、その連絡を受けた兄にかわって、交通事故の交渉から病院の手続きと成年後見関連。亡くなった場合の遺産相続の相談」の紹介もありました。
 また、講師には、会場からの実用的な質問にも、丁寧に分かりやすく回答をしていただき、参加者から実り多い勉強会であったとの声がよせられました。
 成年後見制度には、司法の難しいイメージがあるかもしれませんが、判断能力の不十分な方の権利と生活をまもる福祉の制度でもあります。もっと制度が活用されるよう、身近な相談窓口(以下の)が設置されていますので是非ご利用ください。
 地元弁護士さんを始め、司法と福祉がつながってサポートする取り組みが広がっています。

 ・神栖市役所 地域包括支援課(高齢者) 【保健・福祉会館内】 電話0299-91-1701
 ・神栖市役所 障がい福祉課(障害者) 【神栖市役所内】 電話0299-90-1137
 ・神栖市社協 福祉後見サポートセンターかみす 【保健・福祉会館内】 電話0299-93-0294
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