《報告》第225回地域ネットワーク勉強会を開催しました

IMG_0383-2.JPG  ◆日 時:平成28年10月28日(金)
       午後1時30分〜午後3時30分

 ◆テーマ:「親なき後」問題と成年後見制度
    〜知的障害者の生活を支える社会福祉士後見人〜


 ◆講 師:稲嶺裕子氏
     【茨城県社会福祉士会事務局
       /NPO法人スペース空 相談支援専門員】 


 ◆参加者:53名

 今回の勉強会のテーマは「成年後見制度」。知的障害者の後見活動を行う社会福祉士の稲嶺裕子さんに成年後見制度が知的障害者の生活をどのように支えているかをお話頂きました。

 日立市にあるNPO法人スペース空で、障害者相談支援専門員として勤務する稲嶺さんは、「ぱあとなあいばらき」※を通じて社会福祉士後見人として現在9名の方の後見活動を行っています。

 成年後見制度は、判断能力の不十分な方々(認知症高齢者・知的障害者・精神障害者など)が、措置から契約へと変更となった福祉制度を利用する際に、契約などの法的手続きや、利用料の支払いといった日常的な金銭管理、遺産分割の協議などの必要があっても自身ではそれらを行うことが難しい場合に活用できるものです。
 成年後見制度の理念は大きく3つあります。『〇っている能力を最大限活用⊂祿欧陵無に関わらず誰もが地域で安心して暮らすこと(ノーマライゼーション)自己決定の尊重』です。
 稲嶺さんが後見人を受任する9名の内8名が知的障害を理由とする方です。
すでに親御さんが他界してから後見人を受任したケースや親御さんが元気な内に受任したケースがあります。
 法的に裏付けされた「正式な代理人である後見人」による支援は、知的障害のある方がひとりの「大人」として生活していく上で、重要なしくみです。本人はもちろん保護者の生活の質(QOL)を高めていくことにもつながります。

 後見人として具体的に行っていることは以下です。


 ・月々の施設や福祉サービスの支払い・月々の施設や福祉サービスの支払い
 ・毎月、困ったことや本人の状態に変化がないか、福祉サービスが滞りなく、本人のために行われているかを
 グループホームや職場に見に行くこと
 ・通帳などの預貯金の管理
 ・行政等の各種手続き
 ・福祉サービス提供者との懇談
 ・家庭裁判所への報告

 親族が後見人となる割合は3割を切り、第三者後見人は全体の7割となった現状があります。社会福祉士後見人は福祉制度に精通しているといったメリットがありますが、後見人だけで障害のある方の暮らしを支えることはできません。
後見人は家族や福祉事業所、地域の人と共に本人を支えるメンバーのひとりです。
 知的障害のある方は、これまでに生活経験がなかったことで、判断が難しい場面があります。本人の体験や経験値を増やしていく後見活動を心掛け、自己決定を尊重したいと語る稲嶺さん。
 制度の現状から動向をふまえ、実際の後見活動の中で行った訪問販売のクーリングオフの手続きや日常生活の困りごとへの支援など事例を交えて分かりやすく解説して頂きました。 
 
 ※「ぱあとなあいばらき」は、一般社団法人茨城県社会福祉士会が運営する成年後見のための組織です。日本社会福祉士会の成年後見養成研修を修了し、家庭裁判所に名簿を提出した社会福祉士の会員が、成年後見人等を受任しています。  
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