★社協職員レポート
県内市町村社協比較分析  

 神栖社協は、時代にあった地域福祉活動をしっかりと展開していける組織になるため「経営改善」に着手しました。5月末に開催された理事会において、その方向性を示す「神栖市社協経営改善計画策定指針(素案)」が議決され、今年度中に具体的取り組みを示す「行動計画」を専門委員会を設置し策定する予定です。

 今回のレポートは、この策定作業の基礎資料づくりとして、茨城県内44市町村社協の基礎データを一覧化した中で、見えてきたことの一部分を報告します。
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 社協の取り組みとそれに伴う費用及び事務局組織の規模等は、市町村の人口規模や社会資源の充足状況、行政福祉施策との役割分担など様々な事情によって大きな変化があるため、単純な数値の比較は基本的には有効な分析作業とは言えません。

 しかしながら「地域住民や様々な福祉事業者、活動者、行政等と相互に協力し地域福祉を向上させていく(社会福祉法第4条)」といった同一の使命とその役割の発揮を、それぞれの自治体及び住民の理解と協力のもとに進めている組織であることは全ての市町村社協に共通しています。

 したがって、実施事業の違いや規模の大小差こそあれ、住民会員会費制や寄付の受付といった自主財源の確保を元に、自治体からの助成や自治体事業の一部を担う受託事業、更には介護保険や障害者自立支援事業等の直接サービスを展開していくことで事業収入を得て活動しているという共通した費用構成の割合を比較し、その内容を1つのガイドラインに神栖社協の現在位置を確認することは、今後の神栖社協活動にとって有益な機会の1つであるといえます。

※資料「茨城県内市町村社会福祉協議会データブック2015」茨城県社協2016年3月及び各市町村行政ホームページ。

【正規職員数と資格取得状況】
 県内44市町村社協の正規職員数は917人で一社協の平均配置人数は21人です。
最も多くの正規職員を配置している社協は60人弱。最も少ない社協は5人以下です。神栖社協の正規職員数は18人、で平均値である21人より少ない状況です。

 また、市町村別に人口を正規職員数で割った職員一人あたりの対応住民数は、最も少ない社協で一人の職員が住民約500人を担当しているのに対し、最も多い社協は一人の職員が20,000人を超える住民を担当する数値となり大きな開きがあります。

 県内における社協正規職員一人あたりの対応住民数の平均は4,066人で、神栖社協は正規職員一人あたりの対応住民数5,252人で、平均値より多い住民数に対応する体制となっています。

 国家資格である社会福祉士を取得する正規職員は県内で188人おり、一社協あたりの平均人数は4.27人です。神栖社協は人数比較で上位から3番目の12人を確保しています。

 正規職員に占める社会福祉士資格取得者の割合で比較すると、神栖社協は18人中12人の取得(66.6%)で県内最高位です。

 精神保健福祉士は、県内に47人おり、一社協あたりの平均人数は1.06人です。神栖社協は県内で最も多い12人を確保しています。正規職員に占める精神保健福祉士資格取得者の割合では、神栖社協が18人中12人の取得(66.6%)で社会福祉士とともに県内最高位にあります。

 【社協の財源】
 社協の年間総予算に占める自治体から支出して頂いている額(助成金・委託金)の割合を比較すると、最も高い社協は総予算の84%を行政から支出してもらっています。一方、最も低い社協では9%未満という状況です。平均値は44.26%で、神栖社協は平均より低い42.80%を神栖市から支出して頂いています。

 行政からみた社協へ支出している助成金と委託金の合計額では、最も高い社協が約3億5千万円であるのに対し、最も低い社協は約7百50万円と大きな開きがあります。県内44市町村社協の平均額は約1億3,300万円で、神栖社協は平均額よりも低い1億1,100万円となっています。

 また、行政から社協に対して支出された助成金と委託金の合計額が、それぞれの自治体における一般会計予算(平成27年度当初予算)の何%にあたるのか示す、いわゆる行政コストの比較でみると、最も高い自治体は行政一般会計予算額の2.40%を社協に支出し、最も低い自治体では行政一般会計予算額の0.10%の支出といった状況です。県内44自治体の平均支出額は一般会計予算の0.63%で、神栖市は平均値の2分の1以下となる0.25%を神栖社協に支出しています。

 社協の年間総予算額を住民数で割った住民一人あたりの支持負担額(住民コスト)では、最も低い自治体が住民一人あたり約1,100円であるのに対し、最も高い自治体は住民一人あたり約30,000円となっています。

 神栖社協は、県内の平均額6,456円の2分の1以下である住民一人あたり2,751円の住民コストで今日の活動・事業を維持しています。
 
 市町村社会福祉協議会の活動は、目的・目標は共通でも自治体ごとに存在する様々な事情や、目的達成に向けた手法よって大きな違いをみせます。職員配置も正規職員だけでなく嘱託職員や非常勤職員の配置があり、年間予算も福祉サービス直接提供中心型や相談コーディネイト中心型、総合活動型等によっても大きな違いがあります。したがって平均値が市町村社協のスタンダードモデルということでもありません。単純な数値の比較、平均値との比較だけでは、その存在意義を語ることはできないものです。

 大切なことは、市町村社協は決して少なくはない活動費用を様々な形で支援して頂いているという事実です。

 したがって、住民の皆さんをはじめ福祉事業者やボランティア活動者、行政等から理解と納得の得られるコストパフォーマンスに優れた取り組みを実践していかなければならないことだと改めて強く確認することができました。

 これから、この分析データを1つの指標として多くの方々から客観的な評価を頂き、神栖市に必要とされる地域福祉活動を着実に展開していける「行動計画」の策定準備に職員一丸となって入っていきたいと思います。

                                      本所地域福祉推進センターK

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