★社協職員レポート 〜社協に求められる「専門性」の変遷〜

 先月開催された神栖市社協の理事会、評議員会で、社協の専門職を市等へ派遣する新事業が承認されたのですが、この新事業開始にあたり、これまで神栖社協が目指してきた、あるいは求められてきた「職員の専門性」についてまとめてみたいと思います。

 「社協は福祉の総合相談窓口です」と大々的にPRを始めたのは、平成7年頃からだったと記憶しています。この年は、神栖町社協が国県補助「ふれあいのまちづくり事業」の指定(5年間)を受け、また初めて策定した「地域福祉活動計画」の実施初年度でもありました。


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  今日は合格発表!

 当時は介護保険もなかった時代なので、地域の中の福祉サービスは種類も量も少なく、またネットやメールなども普及しておらず、福祉の情報を伝えたり、困りごとを伺ったり、他の機関と連携するには、職員が個別に訪問してまわらないといけない状況にありました。

 ただこれは悪いことではなく、訪問する件数が増えるほど、地域のニーズはより的確に把握することが出来ますし、職員の問題発見能力や、市民や他機関とのネットワーク力も向上します。

 当時の神栖社協には社会福祉士も精神保健福祉士もいませんでしたが、この頃の社協職員に求められていた(というか、私たち社協職員が目指していた)専門性は、圧倒的な訪問件数に裏付けられた経験値であり、確かな住民ニーズに立脚した事業の企画力だったといえます。

 やがて介護保険制度が始まり、全国で福祉サービスの質・量を増やそうとするなか、求められるようになるのは、介護福祉士に代表される、直接介護のプロ(専門職)です。

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 地域の中にまだ社会資源が整っていなかった平成17年頃までは、神栖社協も複数の介護事業に取り組み、職員の多くが介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得を目指しました。

 波崎町と合併(17年8月)したあたりから、高齢者福祉分野については多数の民間事業所が参入し、サービスの供給体制はどんどん充実していきました。神栖社協も直接介護を担う人材についてはこの時期に一定数の確保を完了させました。


 しかしその一方で、一人暮らしや認知症の高齢者の権利擁護をどうするかという問題や、障害者福祉分野〜特に精神障害や発達障害〜の地域生活支援が課題として浮き上がり、社協はこういった分野に積極的に関わっていくことを「第二次地域福祉活動計画」で宣言します。

 ただ、この新たな課題を、これまで社協職員が培ってきた「経験値」「企画力」だけで何とかしようとするには限界がありました。これは「体系的に学んだ知識・技術」と「医療職をはじめ他機関の専門職達と対等に渡り合うための後ろ盾」を身につけた「福祉の相談援助のプロ」としての社会福祉士、精神保健福祉士が求められる時代の到来を意味し、この頃から毎年複数名の社協職員が社会福祉士資格取得へのチャレンジ(通信教育の受講)を始めます。


 そして現在。高齢者福祉、障害者福祉ともに法整備が進むとともに、相談からサービス提供までが細かく定められ、「相談」の場面でも専門職配置義務を伴う事業が増え、その専門職も「国家資格(社会福祉士、精神保健福祉士)の保持」が必須要件とされるようになってきました。

 市との関係でみても、これまでは「福祉サービスの提供」を受託することが中心でしたが、ここ数年は「福祉専門職(もちろん国家資格)による相談援助技術の発揮」へ、事業の内容が変化。実際、専門職を配置しての相談事業所そのものを請け負ったり、4月からは専門職を派遣することが具体化しています。

 福祉の総合相談窓口としての社協機能発揮も、専門職の配置あってこそです。今、社協(職員)に求められる専門性は「経験値に加えて資格もあった方が良い」から「資格を保持した上で経験を重ね、日々高めるもの」となっています。

 神栖社協で社会福祉士となった職員が最初に誕生したのは平成11年(1人)のことでした。以後、社会福祉士は年1〜2名くらいのペースで増え、現在は9人となり、そのうち8人は精神保健福祉士も取得しました。
 国家試験は年1回で、毎年1月末(大学入試センター試験の次の週)に行われます。今年は神栖社協からは7名(過去最高)の職員が受験。合格発表は確か今日(3月14日)の午後のはずで、私はまだ結果を知りませんが、できるだけ多くの合格者が誕生することを祈っています。(特に職員Oと職員Iには・・・・。)


  地域福祉推進センター S

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