★社協職員レポート
〜「今」に寄り添うこと 居宅介護支援事業所の業務を通して〜

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 「はい。社会福祉協議会 ○○です」 ケアマネジャーが電話を受けることから居宅介護支援事業所の業務が始まります。電話の相談者はなんでケアマネジャーが必要なのか。ケアマネジャーが具体的にどういう役割を持った人なのかがよくわからない場合がほとんどです。しかしこれは仕方が無いことだと思います。誰もがこの先「いつか」介護保険は必要だと思っていても、その「いつか」がいつなのかは分かりません。電話の相談者は「いつか」が「今」起こっているのですから。

 まず電話では相談者の意向と介護保険利用者の身体の様子をお聞きし、ケアマネジャーがどんな仕事をする人なのかを説明させて頂きます。
 介護保険制度やサービス事業所に関する説明は後日に訪問させて頂き、利用者とご家族と会い話を伺う中で、利用者とご家族の望む生活についてお聞きし、日常生活における問題点の整理を一緒に行い、「これから」の生活の道しるべとします。
 私は専従・兼務と10年以上の期間、居宅介護支援事業所に携わらせて頂きました。これまで自宅で不自由なく生活していたことが、疾病等により何らかの介護や支援が必要な状態になった場合、ほとんどの方が従来通りの生活を望みます。その思いにケアマネジャーとしてどう寄り添えるかと常々思うところです。

 その中でも一番心に残っている利用者は10年近く前に関わっていた、終末期を自室のベッドで迎え様としている女性の方です。この女性は芯の強い優しい方で、携わる介護事業者への労いとお礼を忘れない方でした。ご家族の「少しでも長く生きてもらいたい」という希望があり、女性もご家族のこの思いを汲み取り、ベッド上で笑みを浮かべていました。

 ケアマネジャーとして関わっていた私は、往診・訪問看護・訪問介護を組み込んだケアプランを作成しました。食べられなくなればご家族・主治医と相談しながら携わる皆と考える。少しでも食べられるように、少しでも長生きできるようにという思いが携わる皆にありました。しかし、手足も点滴を刺す血管も細くなり針が刺さらないということが頻回におこるようになり、この方の「ありがとう もう十分、そっとしておいて」という言葉があり、ご家族と再度話し合いました。「できるだけ長生きして欲しい。でも苦しめたくない」というご家族の気持ちの葛藤もありましたが、利用者の望む「そっとしておいて」の思いに携わる皆で寄り添うこととしました。ご家族は辛い気持ちを隠し気丈に振舞っていましたので、ご家族の負担の軽減ができる支援へ切り替えを行いました。

 利用者の思いに寄り添う・ご家族の思いに寄り添うことは、状況と場所、時期によって様々に変化します。ケアマネジャーとして「今」利用者やご家族が何を求めているかを考え、思いを分かち合うことを大切にしながら、業務に携わっていきたいと思います。


◇在宅福祉センター O◇

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