薬物依存症者家族会ANAKにおじゃましました

illust3435[1].png  2月7日(火)、保健・福祉会館内で開催された「薬物依存症者家族会ANAK(アナク)」の定例会に参加させていただきました。

 この会は、身内に薬物依存症者を抱える家族等による自助グループ※で、茨城ダルク※(結城市)の家族会に参加したメンバーらが鹿行地域を拠点として平成15年に設立しました。現在は12家族が継続的に参加しており、この日の定例会には7名のメンバーさんが集まっていました。


 この日の定例会プログラムは「継続ミーティング」。時期が年度末だったこともあり、「1年を振り返り、ANAKとの関わりを通して感じたこと」をテーマに、自由な話し合いがされていました。

 参加メンバーの多くは、自身のお子さんが薬物依存となり、長い方では十年以上、依存症となった家族と関わり、いろいろな思いをされてきたそうです。あるメンバーさんは、

「最初は、家族に薬物依存症者がいることを知られるのが怖くて、誰にも相談できずにいました。しかしANAKと出会い、同じ苦しみを持った仲間と語り合い、励まし合うことができました。ようやく、人前で笑えるようになりました。このような、集まれる場があるだけで、どれだけ救いになったかわかりません。」

「ごく普通の子でも何かをきっかけに薬物と遭遇し、そこから依存症という“病気”になる。きっかけはどこにでもあり、「本人の意志」や「育て方」が原因なのではないと教えられ、すごく肩の荷が下りたことを覚えています。」

と語っていました。


 ANAKは依存症者本人のためにあるのではなく、本人の家族のための会。家族自身が再び元気を取り戻し、地域社会の中で自分らしく生きていけるよう、会員同士がともに学び語り合うことを、大きな目的としています。

 さらに、あるメンバーさんからは

「ANAKの皆さんと、薬物依存についての勉強会などを通して、薬物依存からの回復に向けた家族としての正しい関わり方を知りました。何よりも「我が子だから」と依存症者をかばい、支え過ぎてしまうことが、依存症をより深刻なものにしてしまうことを学びました。今は、依存症である自分の子との関係の取り方が正しいのか確認する場として、ANAKに参加しています。」

と、これまでの活動を振り返りながらの発言がありました。


 このミーティングは「言いっぱなし、聞きっぱなし」が原則。全てのメンバーが、それぞれの思いを自分のことばでゆっくり語り、他のメンバーさん達は、一人ひとりの「語り」にやさしく耳を傾けます。


「依存症者本人に治療やリハビリが必要なのはもちろんですが、本人と長い間かかわり続けた私たち家族にも、回復に向けたプログラムが必要なことを知りました。その場のひとつがこのANAKで、私はこうやって参加することができているけれど、地域にはまだ、かつての私達のように、一人で戦っていらっしゃるご家族の方もいるはず。少しでも多くの方に、この会の存在を知ってもらいたいです。」

「ANAKは鹿行地域の身近な相談場所、そして仲間づくりの場所として、今後も地道に活動を続けていきますが、新しいメンバー(ビギナーさんと呼ぶそうです)のために扉はいつでも開けています。お気軽にご相談下さい。」

 最後にANAK代表の田村さんをはじめ、メンバーの皆さんはこうおっしゃってくれました。


 ANAKとはフランス語で「息子」という意味があるそうです。
 ANAKでは、薬物依存症を若者達にこれ以上広めないために、今自分たちができることとして、薬物に関する正しい理解を啓発したり、自分たちの体験談を語り継ぐことで病気の恐ろしさや家族の悲しみを伝えるフォーラムの開催(年1回)なども行っています。一人でも多くの方が正しい理解をすることで、薬物依存に対する偏見をなくし、薬物依存を病気として認知できる社会になってほしいというのが、皆さんの願いです。

 皆さんの今後の活動については、機会があればまた本サイト等でご紹介させていただく予定です。


 ANAK定例会は、原則として毎月第一火曜日に、神栖市保健・福祉会館で開催されています。次回の定例会は3月6日(火)午後1時開催予定です。
 参加メンバーのプライバシーには最大限配慮し、会の中で話されたことについて、他所で名前を明かしたり事柄を特定できるような話はしないことがルールになっています。心配であれば、ミーティングの席でお名前やご住所等を明かさずに参加することもできます。


 ご相談やお問い合わせは下記まで。社会福祉協議会にご相談いただいた場合でも、ANAKをご紹介することができますので、お気軽にご連絡下さい。

★薬物依存症者の家族の会 〜 ANAK アナク 〜
 連絡先 090−3215−7850(事務局)

★神栖市社会福祉協議会 神栖本所
 連絡先 0299−93−0294(担当:相良)

※自助グループ
 共通の悩みや苦しみを持つ人々が、自分の問題を自分で解決するために、当事者主導で自発的に形成されたグループで、セルフヘルプグループと呼ばれることもあります。メンバー同士の支えあい・共感、生活課題や支援制度についての情報交換、学習活動、社会的孤立・抑圧からの回復、一般市民の啓発、行政・専門機関への働きかけなどの機能を持ちます。


※ダルク
 ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)のD、アディクション(ADDICTION=嗜癖(しへき)、病的依存)のA、リハビリテーション(Rihabilitation=回復)のR、センター(CENTER=施設、建物)のCを組み合わせた造語で、覚醒剤、有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から開放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。全国50箇所以上で運営されています。

 「ダルク」に関して、詳しくは下記サイトでご覧いただけます。
 NPO法人 全国薬物依存症者家族連合会のホームページ

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